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── 龍羽
「おーメルゴブリンが倒せたら上出来だ、ちょっと休憩するか」
少し遠くの方に多分メルゴブリンウォリアーだろう巨体のモンスターが見えるが 集中力が途切れてきたので仲間が寝ているビルの入口付近で座り込んだ。
「はぁー……疲れたけど大分扱えるようになったな」
「そっスね、これはこれで面白いス」
「何かアビリティでも増えてないかなー」
消費経験値が低い方から順に見ていくと[筋力増加%]というアビリティが目に留まる。
「お? 筋力増加とは何ぞや」
一度タップしてアビリティ詳細を確認するに大盾用のアビリティで これを習得する事によって装備の重量が軽く感じるようになるらしい。
現状困ってはないが この先自分のClassの大盾を装備する時がきたら役立つだろうと 出ている筋力増加40%まで取得した。
リロード短縮と同じく40%まで取得すると100%になるので 先程まで感じていた重さの半分に。
「幻馬、筋力増加取った方がいいぞ」
「うス、もう取りました」
「ちょっとこれ持ってみ?」と自分が装備している大盾を投げ渡す。
「おわっと! おー全然軽くなってる! いやまだ重いけど最初渡された時よりかなり軽くなっとるスよ!」
「じゃー後は物理攻撃力で筋力底上げか」
「ですかねー?」
何気なく大盾の詳細を見ていて気付いた事がいくつか。
一つは重量値が設定されている事で 薄々感じてはいたがこれはどの装備にも設定されているらしい。
銃火器でも拳銃は軽いがロケットランチャーはバカ重い事は体験済みなので既に理解している事だった。
もう一つは防御能力値で 当たり前かもしれないが防ぐ事のできる限界能力値が設定されている点だ。
それは物防と魔防にそれぞれ設けられており そこから魔法も大盾で防げる事を知る。
「おー魔法も大盾で防げるらしいぞ」
「へー魔法もいけるんスね」
どうせなら性能の良い装備にしたいと Class IXの大盾装備を見てみるに Class X装備に漂う質感の貧乏臭さは無く 調度品の如く銀ピカしていた。
一番性能の良い大盾は物攻値6000 物防値10000の魔防値9000という桁外れの装備で そのお値段18万Z。
『あれ? 安くね?』と思ったが 良く考えればロッドもセットで必要なので決して安くないようだ。
因みにClass IXの一番お高いロッドは10万Zで セットで揃えると28万Zという物理攻撃値が一番高い武器より高価な装備になってしまう。
「大盾装備が一番高いんじゃねぇの?」
「まぁ両手分の装備が必要スもんね」
「しかもロッドは魔攻値に影響するし、ストックしておける特殊魔力の数にも影響するんか」
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