第九章 ~Jёυ Survie 前編~

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 うーむ両方で28万Zは流石に今は無理だ。  手持ち198547Z……ロッドだけでも一番能力値の高い装備を買っとくか? 「10万……まぁいっか、ポチッとな」  燻し銀の様な持ち手に 先端は拳大の紫色な宝石がはめ込まれたClass IX最強ロッドを手に入れた。  持ち手の先端付近に透明な半球ガラス玉の様な物が埋め込まれていて 詳細を読むにどうもストックされている魔力が分かるようになっているらしい。 「おー! 特殊魔力を三つもストックしておけるっぽい」 「ストック数が増えたら楽になるっスね」  最安のロッドは一個しか溜めれず 魔力が溜まっているかは視界左下のゲージを確認するしかなくロッドにその機能は無い。 「やべぇはよ使いたい。今夜はオールナイツっすよ幻馬さん」 「へぇ! 行きやしょう!」  しばしの休憩後 恵梨子達が寝ているビルを中心に グルグル徘徊しながら周辺のモンスター共を刈取る事にして立ち上がった……。 「おー夜明けが近いぞ」 「いつの間にか明るくなっとるスね」  一睡もせず延々と戦闘していたが ふとランタンが無くてもある程度見通せる事に気付き ビルの間から覗く空が薄ら白み始めているのが見える。  幻馬もかなり上達して パリィ成功率は80%を超えるようになっていた。  途中から 飽きないようにタンクとアタッカーというフォーメーションを二人で交互に練習し 驚くほど効率的に獲物が狩れる事に調子に乗り馬鹿みたいに経験値とGMを稼いだ。 「ふぇー! 金が60万もあるすよ!」 「俺も29万まで復活したぜ!」 「しかも新しい特殊魔法出とるっス!」  その言葉で早速アビリティを開くと 経験値20万を消費して取得できる項目が出ていた。 ────── 【EXP200000使用】 グラシエラ(凍結) 未習得 フーズィエラ(感電) 未習得 筋力増加100% 未習得 クイックリロード 未習得 ────── 「おーちょと待てぇい! 全部欲しいんですけど!?」  寝てないからかちょっとハイテンション気味である。  Class IXの上限である基本能力値500はとっくにカンストし HP・MPも全てカンストしていたので 惜しげも無くほぼ全ての経験値を消費してアビリティを四つ習得。 「夜中ずっと考えてたんやが、これ他の武器のアビリティも取っといた方がええよな?」 「それっスよ! 俺も思ってました」 「じゃー次は……大杖でもやってみるかな」 「俺弓とかやってみるっスね」  こうして俺達は 片方が大盾 片方が任意のアタッカー武器での連携を練習する事にしたのだった……。
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