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幻馬と二人で倒した収穫者から得た情報によると フィールドを歩き回ってプレイヤーを狩っているのはClass Xの収穫者しかいないが 実の所とある場所へ行けばClass IXの収穫者がご存在遊ばしているらしい。
そいつを倒せばClass VIIIへ駆け上がれるのだ。
「という事で俺はClass VIIIを目指そうと思う」
「ええ!? 俺のClass IXが先やろ!?」
「まぁそう言うだろうと思って、思い出したんだよ収穫者マッピングという機能を」
そうだ 自分には特に必要無かったので忘れていた下位Classの収穫者の位置が分かるMAPサービスである。
「ただし、ここでは通常MAPが機能しないから手に入れたMAPに頼るしかないんやが、30m周辺しか分からんのですねぇ」
30mというと 大した距離じゃないので微妙な機能だが無いよりマシだろう。
「とりあえず教えてもらった場所に向かいつつ探すか」
何時何時プレイヤーと遭遇するか分からないので 歩きでClass IXの収穫者が居るとされる場所へと向かう。
「あれ? 恵梨子さん杖買ったんですか?」
彼女はいつの間にか 真っ黒なサバゲー女子みたいな格好に似つかわしくない 紫のステッキの様な棒を持っていた。
「あ、うん。寝る前にね、私回復役でしょ? ヘルプ読んで多分杖が必要かなって思ったんだ」
「おーそうですね、大杖は黒魔法なんで杖の方で正解ですよ」
これでひとまずバランスの取れたPTになったと思う。
まぁまだまだ経験が浅いので これから四人での戦闘訓練をしなければならないだろうけど。
しばらく歩いていると 突然近くで銃撃戦が始まって 瞬く間に黒煙が立ち上り瓦礫が散乱した。
どうやら俺達が歩いている一本裏の通りで戦闘をしているらしい。
「幻馬行くぞ! T」
その言葉に「へい! 」と弓をアウトプットして装備した幻馬。
Tとは「俺がタンクをやりますよ」という意思表示で いちいち言葉にするのが面倒なので一文字に略してしまった。
因みにタンク役を交代したい時はS(スイッチの略)と言えば通じるようになっている。
Class IX最強の大盾とロッドを装備して二人で走り出す。
一本裏の通りへ出る瞬間に風魔法を唱え ロッドから自分の足元に魔法を撃った衝撃で15m程ジャンプしながらヘイトボタンを押した。
「お待たせゴミ屑共!」
何人いるのかの把握もせずに飛び出してヘイトを一身に引き受ける。
すぐさま飛んできた銃弾をパリィして着地。
「残念また来世!」と先に決めゼリフをくれてやると 今撃ってきたプレイヤーの脳天に矢が刺さると同時に爆発し 一撃で地面に崩れ戦闘不能に。
「ナイス! 幻馬」
「爆矢気持ちうぃ√!」
これが一睡もせずに練習し続けた連携プレイである。
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