第十章 〜Class VIIIへ〜

5/22
前へ
/260ページ
次へ
 更に飛んでくるエネルギー弾や物理弾の一番早く到達する弾を見定めパリィで弾くと 360°全てを包む透明なシールドによって当たる直前だった弾丸は地面にパラパラと無力化された。  大盾の超感視覚(エクストラセンス)鉄壁(フルシールド)というアビリティである。  ヘイトボタンを押しながら走って 影から射撃していた二人に詰め寄り延焼魔法(フラムエラ)を放ち 後方からの銃弾を連続パリィ。  これだけ銃弾が飛んでくればエネルギーに困らない。  延焼によってみるみる削られていくHPに大慌ての二人が仲良く床へと崩れた。  ロッドに特殊魔力をMAX溜めて ビルの二階から狙ってくるプレイヤーへ向けて凍結魔法(グラシエラ)を一撃 更に対面のビルから顔を出してるプレイヤーにも速攻で詰め寄り凍結魔法をお見舞い。  凍結させて動きを封じた間に幻馬が弓矢でトドメを刺してくれる。  最後にロッドを天へ向けて「エンチャントグラシエラ」と言い放つと PT全員の武器へ凍結魔法がエンチャントされ 武器は薄青く光りを放ち 溢れ出ては下へ流れる白い冷気。  こちらに向かってきていた片手剣の男の攻撃をパリィすると 背後から飛んで来た矢が敵の胸を貫通し 爆発した瞬間パキッと凍りついた。  一度凍結すると攻撃を与えたりしなければ10秒は動きを封じる事ができる。  「S!」と叫んで武器を大杖に換装し 「グラッシーランス(氷槍)」という魔法を唱えた。  大杖の魔法は言葉による詠唱ガイドが視界に表示されるので それを読み上げて魔法を発動しなければならない。 「アリシ、ゲー、アズ、ワー、セヌエ──」  12ワードを読み上げると頭上に氷の球体が出現。  大杖を敵対象に向けて『発射』と念じるだけで1mはあろうかという氷の槍が球体から形成され 弾丸の如く敵の頭 胸 腹を貫きビルに縫い付け戦闘不能にした。  12発放てる氷槍の残弾を 残っているプレイヤーに向け狙撃しまくる。  もれなく壁に縫い付けられる敵プレイヤー。  こんなに敵対心(ヘイト)を集めそうな面倒な魔法を使っているのにも関わらず 一切攻撃が飛んでこないのは気分良すぎるぜ。 「弱すぎんぞテメェらぁ!」  ざっと15人を幻馬と二人一瞬で壊滅させた。 「一人もClass IXがおらんかったから弱かったな」 「いやー爆矢気持ちええっス」 「す、凄いね。何したらいいか分かんなかったよ」 「おー速いなー! 楽で助かるじぇ」  神魔に朝食を食べさせてまた歩き出した。 「やっぱプレイヤーは経験値が美味しいな、さっきの戦闘で約20万稼げたんか」 「やったね新しいアビリティ取れるぅ! ゲヘヘヘ」 「私は何すればいいのかな?」 「基本的にHPが減ってない限り攻撃してくれれば大丈夫ですよ。さっきみたいに動きを封じてる奴にトドメ刺してくれたらありがたいです」
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1650人が本棚に入れています
本棚に追加