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私は次の日も「エメラルドグリーン」のバーへと向かった。
そして貰った名刺を彼へと差し出して、
「さっそく、来ちゃいました」
彼は優しく笑って言った。
「いらっしゃい」
椅子に座って、少しだけかっこ付けて言ってみた。
「昨日と同じカクテルでお願いします」
「分かりました」
さっそく手際よく、カクテルを作る。
「今日はどうです?ご気分は」
「気分が悪くないと来てはダメですか?」
私は聞き返す。
「いいや」
シェイクポーズをして、両手を上下に動かす姿が、凄くかっこよくて。
…また、魅とれてしまう。
細身の長身、腰もお尻もキュッと締まってて、凄 くかっこよくて。
…またまた、魅とれてしまう。
小さく溜め息を付いて、トキメキを抑えるために、胸に手を当てる。
「ナガタさんってどんな漢字で名前を書くんですか?カタカナで書いてあったから…」
「知りたい?」
「はい」
「ヒントは普通じゃない方かな」
普通じゃない方?
「もしかして、こっちのナガ?」
私はテーブルに指で「永」と漢字で書く。
「はい。永遠の永の字の永田です」
「すっ、素敵な名前!」
思わず感動して、両手を顔に当てた。
「反応が大袈裟ですよ」
少しだけ照れ笑い?いや、苦笑いをして彼はチラリと辺りを見て、私にまた視線を向けた。
「すいません!」
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