2、良い話

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今夜もまた、カクテルは永田さんのおごりになってしまった。 それだけじゃない。 扉の外まで見送ってくれた。 「今夜も寒いから、風邪を引かないようにね。それから気を付けて」 「はい、ありがとうございます」 「何もなくても、またお店に来て下さい。今度は、本当のキスのあじのカクテル、ご馳走しますよ」 「はい、また来ます」 またじゃないよ。 何度だって、あなたに会いに行くよ。 「じゃあ、また」 手を振り、私は帰って行く。 寒いのに、私が角を曲がるまで、彼は見届けてくれた。 嬉しくて、私の身体は温まっていた。
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