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PM4:00
路上ライヴも後半戦。
いつの間にか僕らの前には人集りが出来ていて、押し合い圧し合い騒がしくなっていた。
魂で歌っている僕はこの時確かに伝説のロッカーになっていた。
もう数曲を歌い上げ、ついに最期の曲。
観客のボルテージは上がり続け、限界を知らない。
そして曲が終わり、皆思い思いに楽器を鳴らし、暴れまくる。
ドラマーはドラムセットを次々と客に投げ込み、最後にスティックを投げ、投げる物がなくなった彼はついに客の渦へとダイブした。
ベーシストはベースを振り回しながら客の波の中へ、通りがかりの足を、腕を、頭を砕きながら自身も壊れていく。
ギタリストはギターを何度も地面に叩き付け、終いには自分の頭へとぶつけまくる始末。
血飛沫が上がり、収拾のつかなくなったライヴはやがて暴動と化、集団はゆっくりと動き出し、進行方向にあるものを破壊していく。
僕はその集団へギターを投げ、こっそりとその場から離れた。
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