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なんだかんだお腹もいっぱいになった頃、父が新しい肉を持ってきた。
その肉は脂が沢山のっており、色合も良い、明らかに高価そうで、お腹が満たされている今の僕には食べられそうにない。
どうしようかと考えているといつの間にか隣に居た友人が話し出した。
「これが最期の肉だ。
だが君はこれを食べてはならない。
何故なら…いや、やめておこう。
最期くらい家族で食べたいと、他の人は巻き込みたくないと、それだけ言っとけば君ならおおよその察しがつくだろう。
今日は来てくれてありがとう、君に逢えて良かった、さようなら」
最期の肉が焼かれていく。
これから何が起こるのかを悟った僕は友人宅を去った。
別れ際に見せた友人の笑顔が印象に残って、しばらくの間離れなかった。
憂いたところで何の意味もないのに。
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