29人が本棚に入れています
本棚に追加
僕
「もしもし」
僕じゃない人
「あ、起きてた?」
僕
「うん、起きてたよ
どうしたん?」
僕じゃない人
「ちょっと眠れなくて…」
僕
「何かあったの?」
僕じゃない人
「ううん、土曜日は
いつも眠れないの」
僕
「あぁ、明日休みだから
テンション上がって?」
僕じゃない人
「…ちがう」
僕
「だよね…
そんなトーンじゃ
なかったわ、ごめん」
僕じゃない人
「昔、色々あって
土曜日の夜が怖いの」
僕
「そうなんだ…」
僕じゃない人
「眠くなるまで
少し付き合って」
僕
「わかった
じゃあ迎えに行くよ」
僕じゃない人
「え?」
僕
「え?」
僕じゃな人
「どこに?」
僕
「そっちに」
僕じゃない人
「どこ行くの?」
僕
「モス」
僕じゃない人
「え?」
僕
「モス嫌い?」
僕じゃない人
「いや、別に…」
僕
「オニポテってさぁ
中の玉ねぎだけ
するするって
抜けちゃうよね」
僕じゃない人
「あるある(笑)」
僕
「残った衣だけを食べる
切なさが…」
僕じゃない人
「わかる(笑)」
僕
「よし、じゃあ
日曜日になったし
帰るか」
僕じゃない人
「うん、なんか…
ありがとう」
僕
「土曜日に何があったか
わからないけど
来週からは
眠れない土曜日じゃ
なくてさ
眠らない土曜日に
しようよ」
僕じゃない人
「また
付き合ってくれるの?」
僕
「もちろん
また電話してよ」
僕じゃない人
「ありがとう」
次の土曜日
僕
「はい、モスモス」
僕じゃない人
「そういう事か(笑)」
いつかの土曜日
僕
「モスモ~ス」
僕じゃない人
「最近、太ったんだけど(笑)」
またいつかの土曜日
僕
「もしもし」
僕じゃない人
「え?どうしたの?」
僕
「なにが?」
僕じゃない人
「いや、普通だなぁと…(笑)」
そして最後の土曜日
僕
「モスモス」
僕じゃない人
「あのさ、最近
モス食べないと
眠れないんだ(笑)」
僕
「じゃあ、今日も
迎えに行くよ」
僕じゃない人
「ううん、もう迎えに
来なくていい」
僕
「え?」
僕じゃない人
「テイクアウトしてきて
一緒に家で食べたい」
僕
「もう土曜日は怖くない?」
僕じゃない人
「うん、怖くないよ」
僕
「よかった」
僕じゃない人
「でも日曜日の体重が
怖くなった(笑)」
という
土曜日の深夜の会話
最初のコメントを投稿しよう!