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「ねぇ、ﾋﾟｸﾙｽちょーだい」
ん？ﾋﾟｸﾙｽ好きなの？
「うん、好きなの」
珍しいね
嫌いな人はよくいるけど
「そうなの
珍しいの
絶滅危惧種なの私」
あっそ
でも僕もﾋﾟｸﾙｽ好きだから
あげない
「あなたも
絶滅危惧種でしたか」
奇遇ですな
危惧だけに…
「つまんない」
…はい
「ねぇ、もし私たちに
子供が出来たら
ﾋﾟｸﾙｽ好きになるかな」
えっ
ど、どうだろうね
ﾋﾟｸﾙｽ好きが遺伝するとは
思えないけど
か、可能性は
否定出来ない訳だし
でも
絶滅危惧種同士の
子供なら
き、きっと世間は
すごく祝福してくれると
僕は思うよ
あの佐渡島の
ト、トキみたいに
「ねぇ、子供欲しい？」
あ、あ、当たり前じゃん
「じゃあ
ﾋﾟｸﾙｽちょーだい」
それは嫌だ！
「ケチー！」
平日の
ﾊﾝﾊﾞｰｶﾞｰｼｮｯﾌﾟの客は
僕と僕の恋人だけだった
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