549人が本棚に入れています
本棚に追加
読み終えて、テーブルに戻すと端から発火し燃え広がる。蝋燭より大きく上がった炎が部屋を照らした。
「おぉう、…暖かい」
思わずといった風に、少女は炎に手をかざして暖を取る。
炎は紙がなくなる間際、高く大きく広がり、ついた時と同じように唐突に消えた。
後には灰も焦げ目もなく、一冊の本だけが残されていた。
落ち着いた色合いのハードカバーの本で、表紙に『作成リスト』とだけ書かれている。
「作成…なるほどーこれが補佐致します道具ってやつかぁ」
本を持ち上げ、ベッドに移動させたあと少女自身もベッドに上がる。
俯せに寝転ぶと何度か身じろぎして、もう一度掛け布団を着るとようやく本の表紙を開くのだった。
「見えぬ」
直後、蝋燭を本の傍に寄せたのは言うまでもない。
最初のコメントを投稿しよう!