ガキ発見で子煩悩

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「ま、待て!こいつがどうなってもいいのか!?」 マリーの喉に懐から取り出したナイフを突きつける奴隷商人。 マリーの首から勢いで少し当たったのか血が少し垂れた。 「マリー!」 「はははは!こいつの命が惜しけりゃあ今すぐ自害しろ!」 「………マリー、少し目を閉じて動くなよ?今助けてやる。」 サイガは落ちてた石を拾う。 ポンポンと土を軽く落とし男の額を見ながら構える。 「お、俺は本気だぞ!?」 「本気だろうが虚仮威しだろうがぁ……。」 「い、いいのか!こいつを殺すぞ!?」 「家のガキに手ぇ出したてめぇを殺すことには変わりねぇんだヴォケエッッ!!」 サイガが放った石は見えない速度で男の額を貫いた。 貫かれた男はフラフラと一瞬揺らぎ倒れた。 「ラストォ……。」 「ひ、ひぃ!!勝てる訳ねぇ!」 残った男は無様な格好で背を向け逃げ出した。 「クソ野郎がぁ……逃がすわきゃねぇだろうがよぉぉぉおお!!」 「ガルルルルルッッ!!」 サイガが追いかけようと脚に力を込めた瞬間、脇をすり抜けていくラウ。 ラウの瞳は怒りで赤く充血していた。 「な、なんでウルフが!?」 「ガルルルルゥウアアッッ!!」 「い、嫌だあああ!ゴヒュッ!」 男の喉に食らいつく形でそのまま一回転する。 ラウが着地し男を見ると、ギリギリ首が繋がったまま歩く死体と化していた。 「家のガキに手ぇ出したんだ。妥当な罰だなゴミ野郎。」
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