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「ふー。マリー大丈夫か?」
死体が倒れるのを見届けてユーナに抱きかかえられてるマリーに語りかける。
「………だ、大丈夫。」
まださっきの恐怖で肩を震わせているが問題はなさそうだ。
「ラウもお疲れ様。」
「クゥーン。」
頭を撫でてやると目を細めて脚に頭を擦り付けてくる。
かわいいヤツめ。
……………!
ったく、さっきから邪魔者ばかり来やがって……シバき回してやろうか。
「ユーナ、結界系の魔法は使えるか?」
「は、はい。使えますが……?」
「ラウとマリーを巻き込む形で張ってろ……来たぞ。」
「グギャアアアアアッッ!!」
ユーナが返事をする前に空からこの世界で一番強いと言われてる生命。
ドラゴンが舞い降りた。
「どどどドラゴン!?」
「クソが……さっさと俺はガキ共と家の中でマッタリノホホンとしてぇのに、邪魔すんな!」
サイガがこちらを睨む碧竜の顔面めがけて石を数個なげる。
だがドラゴンに当たることはなかった。
「んあ?」
『人間よ、娘らを守ってくれて感謝する。』
人型になった碧竜。
見た目は人間だが、身体に生えた碧みがかった鱗と、ドラゴンの時を彷彿とさせる尻から伸びた尻尾が人間でないことを示す。
「娘らって、お前らエルフじゃなかったのか?」
「エルフです!両親共に純血のエルフなんですから間違いありません!」
『我が名はバクゥ。そこの娘らのように人間に捕まって奴隷になるのを防ぐ者なり。』
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