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「ほー?てことはお前は守り人ってところか。」
『うむ。最近は特に奴隷商人の動きが活発になっていてな……仲間と共に動いていたのだが間に合わなくてな。悲しいことだが何人か連れ去られてしまった。』
悲しそうにうつむき気味になるバクゥ。
「それで?改めて俺の前に姿を見せたってことは何か頼みがあるんだろ?」
『話が早くて助かる。単刀直入に言うと娘らを預かって欲しい。』
「言われるまでもねぇ。だが一つわかんねえ。理由はなんだ?」
『……撃退した後に奴隷商人が村を襲ったのだ。今村は復興作業で追われている。』
「な、なら私達も村の復興を…!」
『両親達からの伝言だ。村の復興が終われば私達から迎えに行く。そう伝言を頼まれた。』
「…………。」
村の助けになれないことに悔しさを感じるユーナ。
隣にいるマリーも同じく悲しそうな顔をしていた。
「………わかった。ユーナ、マリーとラウ連れてちょっとキノコ集めといてくれ。今日はキノコシチューだ。」
「……わかりました。」
「あと食えるの拾ってこいよ。ラウ、食えるか食えないかお前の鼻で判断頼む。後で俺も確認するからだいたいでいいから。」
「ワンッ!」
ラウがユーナを後ろから頭で押すたびにユーナが「ちょ、やめてラウ!下着がずれちゃう!」って言ってたのが耳に入ってきた。
なにしてんだか。
「……で?本当の理由はなんだ?」
『何のことだ?』
「村がボロボロなら人手が必要なはずだ。なのに来るなってことはそれ相応の理由があるはずだ。」
『……バレたのなら仕方ない。本当の理由を話そう。娘らの両親はもうこの世にいない……報復にきた奴隷商人の手によって死んでしまった。』
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