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とりあえず先ほどのことは忘れることにして暫く歩き、見えてきた馴染みのある大きめの木造建築に帰った。
「ただいまー。ってなにこれ!?団体さんのお客さん!?」
先に中に入ったカイリが驚いて声を上げる。
まあ家に帰ったら尋常じゃない数の靴が玄関にあったら誰でも驚くわな。
「お帰りなさいませサイガ様。夕飯の準備とお風呂の準備はできております。」
リビングから優雅な動きで俺らを迎え入れてくれたのはミレイ。それも気遣ってくれたのか飯と風呂の準備までしてくれていた。
「ありがとうミレイ。でも風呂は女子優先だっていったろ?」
「これはこれは....私としたことがうっかり忘れておりました。」
「えーと....お父さん、こちらの方は?」
初対面であるユーナとカイリは気まずそうに俺とミレイを交互に見ている。
その顔はまさしく混乱しているようで、目がぐるぐる回っていた。
「あー....後で丸ごと説明するからとりあえず汗流してこい。やることやってから全部説明するから。とりあえず簡単な自己紹介ぐらいはしとこうか。」
「申し遅れました、私の名前はミレイと申します。見た通り魔族ではありますが、敵対関係ではございませんのでどうかよろしくお願いします。」
「あ、これはご丁寧にどうも。アタシはカイリ・シャープです。」
「私はユーナ・ビーです。よろしくお願いします。」
深いお辞儀をしあう三人。
「ビー....と申しますとサイガ様の?」
「はい、血はつながってませんが親子の関係です。」
「自己紹介は終わったか?聞きたいことはお互いあるだろうが今はやることやる。」
『はーい。』
「かしこまりました。」
それぞれ返事が返ってきたので改めてリビングに入る。
「あ、オーナー!やあっと帰ってきたぁ....。」
リビングに入ると子供に群がれてるサドラがまず目に入った。
手に持ってる絵本から察するに、子供達に絵本を読んであげてたみたいだ。
「うわっ!なにこのたくさんの子供達は!?」
「だれー?おねーちゃんたちー?」
「だれー?」
子供達は絵本から初めて見るユーナとカイリに意識を移す。
よく見ると奥ではマリーが別の子供達とおままごとで相手をしてあげてるのが見えた。
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