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「アタシはカイリ、っていうんだよー?」
「カイリねーちゃんー?」
「そうそう、カイリねーちゃんだよ?」
「カイリねーちゃーん!」
「カイリねーちゃーん!」
「カイねーちゃーん!」
「かーちゃーん!」
「か、母ちゃん!?」
後ろで無邪気故の残酷さが再び発動しているのを聞きながらミレイに質問をする。
「ラーマとネルは?」
「ラーマ様は慣れない旅路の疲れを癒すため自室にてお休みになられています。ネル様はフェル様を探しに先ほど家を出られました。」
「あいつ....捕虜ってこと忘れてないか?」
「特に脱走する様子でもありませんでしたので外出することを許しました。」
「ならいいや。そのうち帰ってくるだろう。」
一瞬遠くから聞こえたグランドヴォルフの悲鳴を聞かなかったフリしてマリーに近づく。
ちょうどおままごとも終わったみたいで、次は何をして遊ぶか皆で話し合っていた。
「ただいま。」
「あっ....お帰りなさい....。」
マリーが俺に気づくと同時に久々に抱きついてきた。
俺も久々ってのもあってか少しテンションがあがりマリーを抱き上げた。
「あー!いいなー!」
「わたしにもしてー!」
それを見ていた子供達もサイガに抱き上げてもらおうとワラワラと集まってきた。
「よーし!まとめて抱き上げてやる。腕につかまれ!」
「わーい!」
「ぼくもぼくも!」
「つぎはあたしもー!」
「ぼくがさきだよー!」
「ケンカはするなよ?ちゃんと皆抱き上げてやるからなー?」
『はーい!』
順番を決めて腕に掴まった子供達を難なく持ち上げて行く。
「きゃー!」
「すごーい!」
「たのしいー!」
「ほらほら!しっかり掴まらないと落ちるぞー!?」
サイガはその場でゆっくりグルグルと回りながら子供達と戯れる。
子供達が満足するまで遊んでやっていると、気づけば夕飯の時間になっていた。
「お父さん、皆、ご飯の時間ですよー?」
「お?もうそんな時間か。ほら、ご飯食べてからまた遊ぼうな?」
『はーい!』
子供達は誰一人ワガママ言わず、それぞれテーブルとイス、ソファーとデスクに座って行く。
大人達は場所が無いので子供達の後で食べることにした。
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