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背中を向け、リングから去って行くカヒュア。
…………。
何か凄い臭い事、言って去って行きやがった。
これで、見事に俺があいつの枠を頂いたのならとりあえず鈴蘭とあのパジャマにドヤ顔した後、『なんかあんな臭い事言ってカッコよく去って行きましたけど、あれ僕にフォルム解放ねじ伏せられてボロ負けすんの怖かったですよね!!』
と、風評被害を振り撒いてやろう。
カヒュアがリングの奥でふんぞり返っている皇王に一礼すると、この世界に亀裂を入れ退出して行く。
それと、同時に囲っていた天雷リングが解かれる。
…………当然、久し振りにちょっと本気を出した死闘の後に抱きついてくるヒロインも可愛い幼なじみもいないわけで。
パラパラと、王室守護達が世界からログアウトして謎の虚無感に襲われる。
…………そうだ、別に幼なじみでも可愛いくも無いが一応保護者として“奴”を出してやろうか。
俺は、この場に漂うカヒュアのリフォルムの履歴を辿り、零を刻む。
すると、空間のポケットとでも呼ぶべきか、ポロリと生み出された空間の隙間から鈴蘭が落ちてきた。
「よくやった。 ミジンコぐらいな希望的な観測に賭けたかいがあったな」
「……死ね」
「おいおい、やってる事と言ってる事が矛盾してるぞたんぱく質野郎」
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