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「おい牡丹。 ここどこだよ。 お前、本当に方向音痴だよな」
第一声から俺のウィークポイントを声にあげるチンピラ風の少年、氷上鈴蘭。
「あぁ、詰んだなこれは。 お前が俺に道案内を任せた時点で終わりだ。 バッドエンドだ。 その後、彼等の行方を知るものはだれも居なかったとか出るぞ。 ざまぁみろ!!」
実際には、本当に笑えない状況だったりする。
信じがたい事だが……俺、八鐘牡丹(ハチガネボタン)とこの映画で真っ先にやられそうなチンピラ少年は、王室守護にめでたく就任する事が決まった。
三年に一度、全国から三人化け物達が巣くう王室守護に就任する事が出来る。
倍率は信じられないほど高く、しかも立候補者の中に素養が認められる者が居なければ、誰も就任しないという事も多々ある。
去年がそうだった。
「あぁ……お前の遭難スキルを甘く見ていた。 取りあえず、腹斬れ」
「さて、次はどちらに曲がろうかしら……うふふ」
見渡す限り木、全部木。 子孫繁栄するのはいいが、場所考えろ。 間隔もうちょいあけろってぐらい木。
つまり森である。
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