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受け取った地図を見て、顔をしかめる鈴蘭。
ほれみろ!! 俺は悪くねぇ!! 地図が悪いんだ!!
「………お前、なんで俺達この地図にギリギリ入ってるか入ってないかの微妙な緑色の部分の森に居るんだ?」
何を言っているんだこやつは。 全く持って理解出来ない。 そんな事はないはずだ。
その地図に記載され忘れた謎の森に遭遇したから遭難したのではないか。
大体一本道をあえてジグザグに進んで、つまらないシンプルロードを楽しもうという俺の粋な計らいをなぜわからん。
全く、こういう恩知らずは不幸になればいい。
キキィ!! ガン!!
森ではけして聞きそうにない音が鳴り響いた。
本当に不幸になった。
俺の目の前にいた氷上鈴蘭を、ぶっ飛ばし変わりに登場した謎の氷の馬車。
誰が予想するだろうか? 森の中で地図を見ていたら、突如接近にも気がつかないレベルの速さで移動する馬車に弾かれると。
そして土埃を巻き上げ、俺の目の前で急停止した氷の馬車から、何事かと青い髪のパジャマ姿の女性が気だるそうに降りて来るのであった。
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