#01.転校生はアイツ!?

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「猫岸沢━━君?」 少し躊躇いがちな、イケボがすぐ背後から俺の耳に飛び込んできた。 「ほぇ?」 ゆっくり振り向けば、転入生がいた。 爽やかなスマイルで…… 「隣の席になった、矢手 玲です。よろしく」 「よろしく」 ほとんど音もなく椅子を引き、腰掛ける転入生。 間近で見ると、ホントきれいな顔立ちだった。 まつ毛長いし、鼻は高い。肌はきれいだし……。 うらやましいな、コノヤロー 「━━やっと見つけた」 ぼそりとソイツは小声で呟いた。 「え?」 何を見つけたって? 「えっ……と、僕のことは“玲”で構いませんよ、猫岸沢くんのことは」 「乃羅でいいって。あと、敬語も抜き。っつか、さっきなんか言わなかったか?」 少し首を傾け、微笑するソイツ。 「気のせいじゃないかな?」 周りの女子からは“キャー”という黄色い悲鳴があがっていたけど、俺にはソイツの“玲”の顔が綺麗だったとか、そうゆうのは考える暇がなくて、 ただ、違和感を感じていた。 背中がゾクリとしたっていうか、日常が変わりそうなそんな不安。 イヤな予感? よくわかんねぇや。 考えんのやーめた。
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