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ブラウンの髪のイケメソだった。
長身で、かっこよくて、俺とはまるで正反対のソイツ。
どっかで会ったことがあるのだろうか。
初めて見た気はしない。
けど、誰だか、どこで会ったのかイマイチ、ピンとこない。
教卓の方へと向かう、その数歩の間に目が合った。
ソイツは、一瞬、ホントに一瞬だけど、少し驚いたように目を見開いたような気がした。
しかし、教卓の前に立つと、生徒っていうよりは新任教師です、みたいな爽やかスマイルに変わっていた。
気のせいだったか?
「矢手 玲(ヤンデ・レイ)です。よろしくお願いします」
転入生の甘いマスクに騒ぐ女子。
撃沈したように机に伏せる男共。
俺は、名前を聞くと、やはり知らん名字だった、と中庭に目を向けていた。
というより目を向けざるを得なかった。
なぜなら、生徒会長(♂)と風紀委員長(♂)がキスをしていたから。
長い間会長は、委員長をストーカーしてたから、まぁ、想いが通じたんじゃないか?
無理やりじゃないかって?
委員長が会長の頬に手を添えてるから、一方的じゃないと思うヨ。
っと、その間に転入生の席が決まってしまったようだ。
俺の隣に―――……
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