XII

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「え、お詫び、?」 きょとん、とした表情で、俺の顔をまじまじと見つめてくる。 「ん、そう。さっき…変にキレちゃったし……。 ほら、今日放課後何も無いよな?」 「別に…気、使わなくっていいよ? 俺も悪かったわけだし」 期末前ということで広げてある参考書をチラチラ見ながら、涼介は俺の誘いを断った。 「あっ、」 俺は涼介の手から参考書を奪い、小さくため息をついた。 「いいから、放課後ついてこいよ」 「……わかった」 ふにゃ、っと笑う涼介。 ……昨日 裕翔にも、こんな表情を見せたのだろうか。 「龍?」 「や、何でもない」
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