XII

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奪い取った参考書を涼介に返し、ペットボトルのお茶を口に含んだ。 涼介だって、 …俺だけじゃ、ないよな…… 「ねぇ龍、この問4さ……」 涼介の声に、意識を戻した。 「あー…、これ。えっと… ……わっかんね」 ―――――――――――― 「ったく…全然進まなかったし」 「だったら授業出ればいいだろ」 冗談でそう言ってみると、ばーか。といつもの様に返ってきて、俺もまた言い返す。 いつもの涼介だ。 「そういえば…、何してくれんの?”お詫び“って」 「いや。今金持ってねーから。まぁそこら辺ブラブラ…?」
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