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多分、リツコちゃんは二度と店には来ない。
だから、タケさんはあんなにも動揺してたんじゃないか……。
リツコちゃんには悪いけど、タケさんはアイリさんじゃないとダメなんだよ。
奥に引っ込んで椅子に座ってぼんやり天井を見ていた。
携帯を出して、マキちゃんに電話することにした。
今日はマキちゃんは仕事だったから、昼間はデートなんてしていない。
夜に会う約束もしていなかった。
「もしもし、マキちゃん?
今日さぁ店おいでよ?
アイリさんも居るよ
……ああ、待ってるよ」
電話を切って耳を澄ます。
店からは二人の話す声がして、口元が緩んだ。
俺のお節介だったかな……
タケさんには暫くいじめられちゃうな~と憂鬱な気持ちになってきて、ゆっくり腰をあげた。
さ、俺も店に出てマキちゃんを待とう。
何事も無かったように笑顔でカウンターに立つタケさんに俺も並んだ。
「あ、アイリさん。今晩は
もうすぐ、マキちゃんも来るよ」
今日は店が終わったら、4人で飯でも行けたらいいな……。
アイリさんは頬杖をついて、シェイカーをふるタケさんを愛しそうに見つめていた。
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