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俺は珍毛ハンター猫だ。
親は人間で、天下の大泥棒だった。
俺は生まれたてのか弱い子猫の時からスパルタ教育を受けて育ってきた。
今では人間のように歩けるし、猫の皮を広げて空も飛べるし、人間の言葉も理解できる。
俺を育ててくれた人間の親は、猫である俺を大泥棒にしたかったらしいが、俺は性格上その道に進むことは出来なかった。
そして、俺は親から全ての技術を学んだ後、夜逃げするようにこっそりと親の元を離れた。ただ、色々とお世話にはなっていたので、ここ掘れにゃんにゃんをして、掘り出した金貨の一部を親の枕元にこっそりと置いてから家を出た。
今俺は天下に名だたる珍毛ハンター猫だ。
その名の通り、様々な生物の珍毛をハントしている。そして、俺はその珍毛を自分で建てた家にコレクションして毎日を謳歌している。月の光に照らされて今宵も俺は珍毛を探しに旅に出る。
今日の珍毛は何にしようかな。そうだ、猫好きで知られる芸能人の珍毛をハントしよう。
俺は、猫の皮を目いっぱい伸ばし闇夜を音もなく滑空する。
芸能人の家に着いた。
俺は今時珍しい煙突から入った。
家の中に入ると、すぐに芸能人に見つかってしまった。
俺はとっさの判断でごろごろと地面を回転し、上目づかいで芸能人を見る。
芸能人は「はっはー」と言って、すぐに上機嫌になり俺をペットとして迎え入れてくれた。
ちょろいぜ。俺はそう思い、一緒に風呂に入った時を狙って芸能人の珍毛を引き抜いた。
「はっはー。俺のちん毛がそんなに欲しいのか」
芸能人は声を高らかにして、言う。
俺は珍毛であるちん毛を取ったのでもうこの家には用はなかったのだが、完全に芸能人につかまってしまいこの家から抜け出せなくなってしまった。
もし、この家から抜け出せたらもう、珍毛ハンターは辞めよう。
俺はそう思い芸能人の胸で深い深い眠りについた。
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