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ピピピッと
山奥の森に館に目覚まし時計の音が鳴り響きました。
少年は美しい目を開け、
ベッドの上に起き上がりました。
そして、ベッドから下りると服を着て、
下の部屋に降りて行きました。
「おはようございます、ナイト様」
「おはようございます、皆さん」
ナイトは使用人達に挨拶すると、
長いゴシック洋式テーブルの端にある
椅子に座り、執事達が運んできた、
朝食を食べ始めました。
すると、執事がちょっと興奮気味に近づいてきて
嬉しそうに言いました。
「ナイト様、真夜中のお勤めご苦労様でした。
相変わらず華麗で美しかったですよ」
それを聞いたナイトは、ちょっと驚いた後、
とても不安そうな顔になり
「どっどうしよう。僕、またやってしまったんですか?
あっあの…吸われた人は大丈夫でしたか?
変なことにはなっていませんか?」
「はい、吸われた人は元気ですし、
吸われたことにも気づいていませんよ。
でも別にいいじゃありませんか、
獲物がバンパイアである貴方の虜になっても・・・
そもそも、それが貴方様の宿命なのですから…
妖艶とした妖しい魅力と美しさで獲物を落とし、
獲物を食す。なんて美しい行いなのでしょう。
なのに・・・」
執事の爺やは、そこまで言うと呆れた顔で
改めてナイトを見て続けて言いました。
「お昼でも獲物の血を吸えるのに、
ナイト様はなぜ吸おうとしないんですか!
大体、貴方様なら吸われてる方が
あまり痛くないように出来るし、
今でも十分にお美しいのに!」
「だって吸いたくないから…痛いと思うし…」
ナイトは、執事の爺やに聞こえないように
小声で言い訳したけれども、
爺やはそれを聞き逃さなかったらしく
「ナイト様…貴方はそれでも…
黒城家の御子息ですか!?」
と、ナイトを怒鳴るように叱りました。
「すみません…ごめんなさい…」
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