告白

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 キミはいつもキレイに笑う。  人好きのする笑みで。  太陽が輝くように。  蕾が花開くように。  キレイに笑みを浮かべる。  それが作り笑いってわからないように。  キミ自身も気づかないうちに。  でもさ、わからないほど。  俺は鈍感なつもりはないし。  キミを恋しく思う時間は短くなかったハズはないよ。  告白。  いつからだろう?  目と目が合うと、時間が止まるの。  そこには二人しか存在しないように思えたのは。  永遠にも似たほんの数秒が私は愛おしくて手放せなかった。 「あと、3日だね」  放課後の通学路。  俺は夏希と帰ってる。  手を繋いで寄り添うように甘えてくる夏希は花が開くようにキレイに笑う。  それが愛おしくて、わざとゆっくり歩く。 「なにが?」  わざとトボけたフリをしてみた。  ホントはすごく自覚してるコト。  もうすぐ愛おしい時間がやって来るコト。 「結婚する日。瀬依くん忘れちゃった?」  不思議そうに俺を見上げてくる夏希。  その桃色の唇に俺は欲情と劣情を煽る。  ホントは覚えてる。  父親同士が友人で、幼い頃に交わした婚約。  それをお互いが自覚し始めたのは、中学にお互いが上がった頃だったーー。
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