異世界へのきっかけ

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――――――― 私は雨の中をただひたすらに走った。 途中、滑って転んでしまった。 悔しかった。 惨めで、情けない自分に腹が立って涙がでる。 ―――――今日だけで何回泣いたかなぁ・・・ ぼんやりとそんなことを考えながらも、走る。 ・・・結論からすると、結局家族なんて、来なかった。 所詮私はその程度の人間だった、ということだ。 そしてあいつの手を振り払った私は、逃げた。 ―――――何をやっているんだ、私は。 フッと自嘲的な笑みをこぼす。 「れぇ、玲奈まって!   …っっ危ないっ!」
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