幼馴染と私

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そういい、私は返事を待たずに二階にある自分の部屋へ行った。 後ろでお母さんが何か言っているが、気にしない気にしない。 そして、私は唯一の癒しの場である「負け組達の集い」へとPCを繋いだ。 ********************************** 「玲奈ぁ~!  あんたの好きなグラタンできたわよー!」 …どれ位の時間がたったのだろうか パソコンを閉じると、私は気の抜けたような声で、はぁーい、と返事をした。 そして、極楽から一気に地獄へと、落とされることを、私は知っていた。 リビングへ降りると、もうすでに全員集まっていた。 席に着くと、皆それぞれの[想い]をこっちに向けてくる。 …憂鬱だ。 お母さんはニコニコして、それを見たお父さんは諦めたようにため息を吐く。 兄の岳(がく)は見下した目で見て、鼻で笑い、弟の掠(らく)はそれを呆れた目で見た。 …なんてまとまりのない家族なんだ。 この家で、私の成績を[まだ]期待しているのはきっと、お母さんだけだろう。
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