幼馴染と私

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私が2位になったことを伝えると、お母さんは 「大丈夫よ、2位じゃない!   …でも満点を取るなんて、蓮君も凄いわねぇ~。 うちにもあんな“完璧な”子が欲しかったわぁ…」 そう言い、ため息を吐いた。 そう、私の両親は、子供に完璧さを求めている。 東大卒の父と母。 海外留学し、留学先でも一目置かれていた、兄。 まだ中学一年生なのに、大学レベルの問題を軽く解いてしまう、弟。 そして、学年2位の私。 学校では凄い方だろう。しかし、そんなレベルじゃあこの家族にはついていけない。 “落ちこぼれ”の私は、暇があれば勉強、勉強、勉強。唯一の楽しみが、寝る前の読書だった。 けど、あいつは違う。いつも人に囲まれていて、勉強しているところなんて見たことが無いくらい。 収まった怒りがまた、沸々と混みあがってくる。 ふと、ある疑問が頭を掠めた。 ―――――私が居なくなったら、          この人たちはどう思うのだろうか。―――――
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