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「そう、かなあ。そう、なのかなあ。でもやっぱり、おかゆに牛乳とかジャムとかっていうのは……」
「オートミールは、麦ですから。小麦粉に牛乳、ジャム。そこに油と卵を入れてオーブンで焼けば、クッキーです」
「え」
「オーブンで焼かずに、鍋で似たもの。クッキーに似た料理だと思えば、甘くてもおかしくないでしょう?」
「え。あ。小麦粉……麦……ああ。そっか」
なんとなく、納得した。
「そうか。お米だと思うから……麦だよね。そこに牛乳とか砂糖とかバター入れて焼いたら、確かにクッキーになるわ……オートミールクッキーっていうのも、聞いたことあるし」
じゃあ、甘くしたオートミールも案外、美味しかったりするのかも。
そう思っていると、厨房からじんがやって来た。
「あああ! ずるい! 二人で朝ごはん食べてるっ! おれ、おれ、ずーっと鍋に張りついてたのに~~っ!」
真っ白な割烹着に頭を三角巾でおおい、『食堂のおばちゃん』スタイルでばっちり決めた、どう見てもスポーツやってました! という感じのがっしりタイプの青年が、涙目で叫んだ。
「あ、すみません。先にいただいてしまいました……じん。あなたの分には、果物もつけますから」
「肉も食いたいです」
真顔で答えた青年に、あー、とか、うん、とか言ってから、店主は答えた。
「いただいたベーコンがありましたから、それで野菜炒めを作りましょう。それで良いですか?」
「はいっ!」
元気よく答えた青年に、ティラミスは思わず笑ってしまった。男の子ってホント、朝っぱらから良く食べるのねえ。
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