■一スレ目 ○○駅がダンジョンすぎる件について

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 後でその旨を彼女に問いただしたところ、この世界には歪曲空間────要するに異世界へと通じるゲートが存在するとのこと。  それが以前たまたまコンビニのトイレだったらしい。  ともあれ、結局彼女を質問攻めにしたところで、どうして彼女がそれを知っているのかまでは分からなかった。が、俺が変な事態に巻き込まれたことだけはよく分かった。  ────俺の両親はその異世界に捕らわれている。  なんでも、彼女が言うには「どんな願いでも叶えてくれる七つのボーロ」をファミチキ界へと探しに行ったまま帰ってこなくなったらしい。  もちろんそんな適当で陳腐な言い訳は信じたいとも思わないが、俺の両親が失踪したのは紛れもない事実だった。  だから。  彼女が何かを知っている以上、俺はそれに付き従わなければならないと言うわけだ。  今俺の目の前で両手にケバブを持って食べ歩く美少女に、だ。 「ユッキー、私ケバブ食べたい」 「今食ってるだろ」 「違う! 右のこれはキャバーブで、こっちはチェヴァブ! 私が今欲しいのはケバブなんだよ!」  中東出身と思わしきかつての店主達の発音を真似て「ケバブ」を連呼するニコル。  ふむ、そろそろ周囲からの視線が痛くなってくる頃だな。  特にあそこ、電化製品販売店『あきばじょお~』から出てきた、キャラティー羽織る汗だくのデブとファッション雑誌から飛び出してきたような爽やかなイケメンコンビの視線。  例えて言うならあれだ、画面越しにいる二次元少女へと向けられる飢えたハイエナのような……
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