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ラスベル家。
彼等は、一年程前に首都から、この田舎の村に越してきた。
だが、ラスベルの母親は既に他界しており、彼は父親と二人暮らし。
鍛冶屋を営む父親は、蓄えた髭が魅力のダンディな男である。
しかし締まった筋肉は年齢を重ねても衰えを見せず、とてもE階級とは思えない程の威圧を感じさせる人物だった。
また鍛冶の腕も一流で、普通に考えたら、首都からこの田舎に引っ越してくる等、有り得ない。
よって彼等が来た当初は、様々な噂がたてられた。
首都で犯罪を犯しただとか、元々は王国の部隊長だったんじゃないかとか。
そんな根拠のない噂が飛び交う為、その息子であるラスベルは、中々村の皆に馴染めなかった。
また皮肉にも、美しい彼の容姿が、更に孤立化を生み出す。
余りに美男子過ぎて、おいそれと話し掛けるのも憚れるからだ。
この村の人々は決して意地悪な者達ではなかったが、彼はフェル達と出逢うまでは、本当に孤独だった。
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