ラナ王国 (蒼い髪の美青年編)

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だからこそ、そんな事を気にもしないで仲良く接してくれるフェルとティナを、彼は心から感謝していた。 今回の戦争で、多くの者が命を落とすだろう。 彼は必ず二人を護り、そして必ず昇格してみせると決意を固めていた。 ラスベルがここまで昇格に拘るのには色々と訳があるが、それを知っているのは親友のフェルと父親だけだ。 (……見てろ。必ず僕は城に行く。そして絶対に彼女に……) ラスベルは昔を思いだし、小さく拳を握り締めて震える。 彼は今、自宅の玄関の前にいたが、何故か中々家に入ろうとはしなかった。 そしてやがて目を閉じて、大きく深呼吸を繰り返す。 「……よし!」 あれからフェル達と別れたラスベルは、これから父親の説得を試みようとしていた。 兵士になるには、恐らくこれが一番の難関である。 彼は意を決して、ついに玄関の扉を勢いよく開いた。
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