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………………
「た、ただいま!父さん」
ラスベルが玄関に入ると、まるで帰りを待っていたかの様に、父親のレオナルドが仁王立ちしていた。
「………何処に行っていた?剣の練習を近くですると言いながら、何時までも帰ってこない。大方例の友達と戯れていたのだろうが」
レオナルドの眼光は鋭く、明らかに怒っている様だった。
(あちゃ~、これは不味いな)
ラスベルは、修行が終わったら父親の手伝いをする約束を、今更ながらに思い出した。
「ご、ごめん、でもちゃんと修行はしたよ。それに今から手伝いもするからさ!」
彼は慌てて鍛冶台に近寄ろうとしたが、レオナルドは違うことで彼に怒鳴った。
「いいかラスベル、あまり人と関わるな!……何度も言ってるだろう。それにあの男は、些か問題児だしな?」
その言葉に、ラスベルはカチンときたのか、父親に振り向いて抗議した。
「何でだよ!別にいいじゃないか、それにフェルはとてもいい奴だし、僕の友達を悪く言うな!」
そう怒りを顕にした瞬間、父親の目が大きく見開かれた。
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