ラナ王国 (蒼い髪の美青年編)

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「黙れラスベル!お前は私のいう事だけを聞いてればいいんだ!」 尋常ではない怒りを込め、彼はそう言って息子から背を向ける。 「ど、どうして、どうして何時もそうなんだよ!」 レオナルドの後ろでガタガタと震えながら、身体中に蒼い光を纏ったラスベルが吠えた。 「ぼ、僕はもう戦える!一年前のような、意気地無しじゃない!」 ラスベルの身体から激しく光が沸き上がり、それは薄く彼を包み込んだ。 「蒼のバトルオーラ……お前、いつの間に……」 振り向いて息子を見たレオナルドは、そう静かに呟く。 そしてゆっくりと目を閉じて、何かを決意するかの如く沈黙した。 「どうだ父さん!もう僕は、貴方の言いなりにはならないぞ!」 力強く、そして猛々しく吠える息子の声を、レオナルドは目を閉じたまま黙って聞いていた。 「…………いいだろう」 ゆっくりと、彼は自らも闘気を纏って目を開いていく。 「えっ、と、父さん!?」 やがて完全にバトルオーラを纏ったレオナルドは、冷たく光る瞳を息子へと向ける。
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