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「………ラスベルよ、にわか仕込みのオーラで、この私に勝てると思うのか?」
「な、何を言って………ぼ、僕は、ただもう戦えるって解ってもらいたいだけで………ど、どうして父さんと?」
狼狽えるラスベルを無視し、レオナルドは、そのまま腰に帯びた剣を抜く。
「じ、冗談でしょ?」
その剣は、刃のついた本物の真剣であり、普段稽古で使う木剣では無かった。
「ふん、色々と私に意見が有るのだろう?だったら私に勝ってみせろ、それならもう何も言わぬ!」
レオナルドの言葉に、ラスベルは彼の本気を垣間見た。
「どうして、どうして何時も、貴方はそう勝手なんだよ………」
ラスベルも、ついに覚悟を決めたのか、彼と同じ様に剣を抜く。
そして激しい怒りと共に、彼は父親に叫んだ。
「だから、僕は嫌なんだよ!」
その叫び声と共に、ラスベルは父親に飛び掛かった。
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