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…………
あれからラスベルは、父親を追うことなく家を出た。
あの父が自分を信じ、そして首都へ行く事を許したのである。
勿論、レオナルドの真意は未だに謎だ。
だがラスベルには、父親が自分に何を望んだのか、理解出来ているつもりだった。
(………父さん、本当にごめんなさい……そして、有難う)
ラスベルは、自宅に振り向いて頭を下げると、やがて決意する。
(さよなら父さん、僕は、自分の過去を清算してきます)
…………再び父親に会えるのは、何年後であろうか。
しかし彼は、心に誓う。
必ず生きて、再び父親の元に帰ってくる事を。
「さぁて、先ずはテストだ!」
ラスベルは全ての気持ちを新たに、自分自身の第一歩を踏み出した。
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