ラナ王国 (蒼い髪の美青年編)

31/59
前へ
/2482ページ
次へ
………… あれからラスベルは、父親を追うことなく家を出た。 あの父が自分を信じ、そして首都へ行く事を許したのである。 勿論、レオナルドの真意は未だに謎だ。 だがラスベルには、父親が自分に何を望んだのか、理解出来ているつもりだった。 (………父さん、本当にごめんなさい……そして、有難う) ラスベルは、自宅に振り向いて頭を下げると、やがて決意する。 (さよなら父さん、僕は、自分の過去を清算してきます) …………再び父親に会えるのは、何年後であろうか。 しかし彼は、心に誓う。 必ず生きて、再び父親の元に帰ってくる事を。 「さぁて、先ずはテストだ!」 ラスベルは全ての気持ちを新たに、自分自身の第一歩を踏み出した。
/2482ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4399人が本棚に入れています
本棚に追加