ラナ王国 (蒼い髪の美青年編)

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……………… 「ただいまぁ………」 ティナは、少し元気のない挨拶をしながら帰って来た。 「あら、なんか何時もより元気無いわね、どうかした?」 少し洒落た飾り付けのある椅子に座り、何か裁縫しているセーラが返事をした。 「……ん~ん、別に何でもない」 ティナは首都に行く事を決めたのだが、問題はこの母だ。 正直、許してくれる筈がないので、かなり気が重かった。 「ちょっとティナ?何かあったんでしょう?良いからこっちに来なさいな」 暗い顔で考え事をしながら二階に上がろうとするティナを、セーラが呼び止める。 「はぁ~い……」 そう言われて、無視する事も出来ないティナは、溜め息をついて返事を返す。 (あ~あ、どうしよう………) 彼女は、セーラの前に腰を下ろしながら、これからの事を考え、憂鬱な気分が晴れる事が無かった。
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