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「ねぇティナ、貴女が暗い時には必ず何かあるわ、隠さずにお母さんに教えて頂戴」
セーラは裁縫を止めて、真っ直ぐにティナを見つめる。
口調は優しいが、なんとも云えないプレッシャーが堪らなく嫌だった。
「別に………隠してなんか無いし」
少し苛ついた返事をした途端、母の目が明らかに変わる。
「何なの、その言い方?お母さんはね、貴女が心配で堪らないの」
心配の押し売り、いい加減止めてくれない?
こんな事を言える筈も無く、ティナは黙ったまま俯いてしまった。
しかし黙れば黙る程、セーラの話は止まらない。
「何を黙ってるの?……まさか貴女、あの不良や、得体の知れない子と、まだ遊んでるの!?」
セーラは、粋なりガンッと机を叩いた。
(……また始まった)
ティナは心底溜め息をつき、本当にウンザリしていた。
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