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「良いこと?何があったのか知らないけど、もう軽率に男の子と遊んじゃダメよ。貴女ももう大人なんだから、そんな尻軽じゃ、誰にも相手にされないの!」
(この人は、何を言ってるのだろう)
「貴女は清純で、淑やかで、誰もが羨む女になるの!」
(どうして、そうならなきゃいけない訳?)
「将来は王族に見初められて、王族の一員になって、華やかな生活を送るの!」
(…………ははっ、結婚まで決められてるんだ)
「聴いてるの?貴女の幸せの為なのよ、お母さんみたいに失敗して欲しくないの!ねぇ、聴いて!」
ガンッ、ガンッ!
(……机が壊れるよ、お母さん。私の幸せじゃなくて、貴女の幸せでしょ?)
「金輪際、お母さんに内緒で勝手に外に出ないで頂戴!それから、あんな野蛮な子達とは縁を切りなさい、全く友達だからと、大目にみすぎたわ!」
(………………)
「どうしたの!ほら、返事をしなさい!」
セーラは普段、ここまで酷くはない。
しかし彼女は、興奮してくると何時もこうなる。
普段他人には決して見せない、少し病的なこの姿こそ、本当のセーラであった。
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