ラナ王国 (蒼い髪の美青年編)

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…………よくある話だ。 フェルが、その事に気が付いたのは些細な事件からだったが、それからと云うもの、彼は荒れるに荒れた。 こういう場合、親の威光を着るのを嫌って真面目に生きる者と、ますます嫌われ者になる事を選ぶ者がいる。 残念ながら、彼は後者だった。 フェルが18歳くらいになると、彼は村の男を従えて、やりたい放題の毎日を送った。 気に入らない奴はボコボコにして、更に集団で私刑(リンチ)する。 それは、男も女も関係ない。 ラスベルと出逢う迄の彼は、ティナ以外の女性も、無理矢理食い物にした。 そればかりか女性でも暴力を振るい、何人もの男女の人生を狂わせていった。 元々フェルは腕っぷしも強く、頭の回転もいい。 当然、村人から恨まれるが、荒みきった彼の成すこと全ては親の力で黙らせていった。 そんな暴挙が止むのは、決まってティナが泣いた時だけである。
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