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彼が、現在の様に陽気で明るい男になるのは、ラスベルと出逢ってからである。
……………
今から一年前。
ラスベル一家は、首都からこの田舎のイース村に越してきた。
首都から来ただけでも珍しいのに、ラスベルの容姿は一際目立った。
この事は、当然フェルの耳にも入る事になり、初めてラスベルを見た時、高らかに嘲笑った。
「オカマのラス子ちゃん」
フェルが、ラスベルにつけたアダ名である。
ラスベルは馬鹿にされても、何を言われてもフェルを無視した。
最初のうちは、意気地無しのオカマ野郎と馬鹿にしていたフェルだったが、段々と無視される事に苛立ちが募ってくる。
ラスベルが村人と馴染めなかったのは、彼の父と容姿もあったが、一番の理由は、フェルが孤立化させた為である。
しかし、それでもラスベルは堪えた様子は無く、黙々と一人で剣の練習を続けるばかりだった。
例えどんな嫌がらせをしても、彼は微塵にも動揺しない。
その事が、フェルに激しい怒りを生み出させた。
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