ラナ王国 (蒼い髪の美青年編)

46/59
前へ
/2482ページ
次へ
フェルは、この村の男に一対一で負けた事が無かった。 勿論、相手がフェルの権力に怯えていた事もあるが、彼は腕力だけでなく多少の魔法も使えた。 まともに勝負したとしても、恐らく彼に勝てる者は、この村には居ないだろう。 そんな男が、皆の見てる前で成す術もなくラスベルに敗れたのだ。 いくら素手同士とはいえ、この事は彼の権威を一気に失落させる結果となった。 当然だが、彼の権力には誰も表立って逆らおうとはしない。 しかし、恨みに恨んだ彼の被害者達は、心の底で激しい憎悪が渦巻いていた。 そして、彼等は弱いとみたフェルに復讐すべく、秘かに恐ろしい計画を立てる。 それは事故に見せかけ、彼を殺してしまう事だった。 …………… この計画を立てたのは、フェルによって恋人を奪われた男。 そしてその恋人は、彼にもて遊ばれて捨てられた。 絶対に許せない。 そう心に決めていた男は、彼に恨みがある者達を集めて、その機会を待っていた。
/2482ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4399人が本棚に入れています
本棚に追加