ラナ王国 (蒼い髪の美青年編)

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次に彼が目覚めた時、それは何処かの森の中だった。 「……い、いっつ!こ、ここは……」 ズキンズキンと痛む後頭部を抑えたくても、思うように身体が動かない。 ジャラジャラと音を立てて、鎖が自分を縛りあげているからだ。 そんなフェルの前に、ニヤニヤと笑みを浮かべた男が立っている。 「やっと起きたか、ゴミ野郎」 男はフェルの髪の毛を乱暴に掴みあげ、満面の笑顔でそう言った。 「………テメェ、そういう事か」 フェルは鋭い目付きをしながら、男の周りにいる、沢山の自分の取り巻き連中を見た。 その瞬間、ガッと、誰かが自分の顔を蹴り上げる。 「なんて目付きしてんだよ?お前、立場わかってんのか?」 そんな事を言いながら、次々に彼等はフェルの顔や身体を蹴り続けた。 ドカッ!ドカッ!ドカッ! 木に縛られて何も出来ないフェルは、蹴られて血だらけになりながらも、全員をガン飛ばし続ける。 やがてフェルの顔が腫れ、瞼が腫れ、歯が何本も折れてくる。 それでも彼は、男達を睨み続けていた。
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