4399人が本棚に入れています
本棚に追加
次に彼が目覚めた時、それは何処かの森の中だった。
「……い、いっつ!こ、ここは……」
ズキンズキンと痛む後頭部を抑えたくても、思うように身体が動かない。
ジャラジャラと音を立てて、鎖が自分を縛りあげているからだ。
そんなフェルの前に、ニヤニヤと笑みを浮かべた男が立っている。
「やっと起きたか、ゴミ野郎」
男はフェルの髪の毛を乱暴に掴みあげ、満面の笑顔でそう言った。
「………テメェ、そういう事か」
フェルは鋭い目付きをしながら、男の周りにいる、沢山の自分の取り巻き連中を見た。
その瞬間、ガッと、誰かが自分の顔を蹴り上げる。
「なんて目付きしてんだよ?お前、立場わかってんのか?」
そんな事を言いながら、次々に彼等はフェルの顔や身体を蹴り続けた。
ドカッ!ドカッ!ドカッ!
木に縛られて何も出来ないフェルは、蹴られて血だらけになりながらも、全員をガン飛ばし続ける。
やがてフェルの顔が腫れ、瞼が腫れ、歯が何本も折れてくる。
それでも彼は、男達を睨み続けていた。
最初のコメントを投稿しよう!