ラナ王国 (麗しの貴族編)

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アランの裏切りの詳細は後々に語られるが、この事はラナ王国に衝撃を与えた。 メナス王国が建国されて30年程度だが、彼がそこに亡命したのは3年前。 過去のラナ王国の歴史からみても、皇族の一人が裏切るなど、決して許される事ではない。 だからこそダルシス国王は、自ら戦地へと赴いたのである。 更にダルシスは、此度の決戦に於いて3人もの皇族を引き連れている。 つまりラナ王国歴251年の3月9日時点では、首都に残した皇族を含めた守備兵は、本当に僅かだった。 いくら、この40年で国内反乱が起きてはいないといっても、殆どの軍が首都を空にするのは流石に危険すぎる。 よってダルシスが残した内、一人は中でも最高の力を持つ者にした。 ダルシスが信頼して止まない、この最高の力を持つとされる男の名は、ナティル。 後に「歴史上最大の悪雄」と称されるナティル・アルローゼである。
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