ラナ王国 (麗しの貴族編)

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ミハエルが自警団ジャスティスのリーダーになれたのは、彼自身の能力や統率力もある。 が、何といっても一番の要因は、彼の両親のお陰だろう。 特にミハエルの父親は、あの皇族の一人なのだから。 その為、エリート中のエリートである彼は、かなり自信過剰で偏見の持ち主だった。 常に優雅に振る舞い、自分が同世代では最上の男だと考えている。 街にでれば誰もが自分に道を開け、平伏し、崇める。 また、ジャスティスのメンバーは、この国でも選りすぐりの、優秀で美麗な者達ばかり。 天下をとった気分で都を闊歩する、彼を含めた一部のジャスティスのメンバーは、全てに於いて首都の人々を見下していた。 そして、自警団の仕事とは、主に都の犯罪を取り締まる事であるが、彼のジャスティスは全く違う。 表向きは確かにそうだが、この都の人々なら、誰でも彼等の悪行を知っている。 彼等の、本当の目的。 それは弱者を虐げ、嘲笑し、見下し、苛め、犯し、時には殺す。 正にジャスティスとは名ばかりの悪童集団なのであった。
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