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「ねぇ、そうしましょうよぉ。そしたら私、貴方の言う事を何でもきいちゃいそうよぉ?クスッ」
フィーナは更にミハエルに抱き付いて、彼の首に両腕を回した。
「はっはっは。解ったよ、考えておこう」
ミハエルがそう笑って彼女を離すと、少し遠くから冷ややかな声が聴こえてきた。
「相変わらず……節操の無い下品な女ですこと」
その言葉を聞いた途端、フィーナは鋭い目付きで振り返る。
そこには綺麗な髪が肩から外まきに跳ねている、見るからに高貴な気品漂う美しい女性が立っていた。
「……ミルフィ……アンタ、今なんつった?」
「あら、私(ワタクシ)は本当の事を言った迄ですわよ?フィーナさん」
ミルフィと呼ばれた美しい女性は、口元に手をあててクスクスと上品に笑った。
その彼女の態度が、フィーナの憎悪を激しく掻き立てる。
しかしそんな彼女を無視して、ミルフィはミハエルの元へと歩み寄って来た。
「ごきげんよう、ミハエルさん」
彼女の目は少し冷酷な光を宿していたが、それでも彼に対して優雅に頭を下げて挨拶した。
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