惑星セクリウスと黒い神様

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このブリュド制度を適用した事により、国民の大部分は階級を高める事を望んだ。 最下層なら奴隷の様な扱いを受ける者もいるから当然だ。 身分が低ければ所得も低いし、同じ仕事をしても評価も低くなりやすい。 逆に上がれば上がるほど、要職にも就けるし生活水準も上がる。 当初は不平等だと命を懸けて抵抗した者も多かったが、統一された頃のラナ王国の武人達の力は凄まじく、誰一人として抗う事は出来なかった。 刃向かうものは皆殺され、その内誰もがこの制度を受け入れざるを得なくなる。 そして今ではすっかり定着してしまい、この制度のお陰か、支配力は益々強固な物になった。 何故なら国の為に尽くせば尽くす程、身分が上がりやすいからだ。 やがてこの国では、人を出し抜いたり陥れたりして身分を上げる者も多くなる。 荒んだ制度が、人々の平等さをどんどん奪い去っていった。 しかしこんな生活が250年も続けば、中には命を懸けて再び抵抗する者も出てくる。 その勇気ある人々は大陸から少しの海を隔てた島々に移り住み、別の国家を形成した。 その島々の国の代表がメナス王国である。
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