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あれからティナに内容を話し終えた二人だが、彼女は口に手をあてて驚きを隠せなかった。
「うっそ!……そ、それじゃ、二人共兵士になる為に首都に行くの?」
「あぁ!こんなチャンスはもう無いだろうし、俺達は何時までも、こんな田舎で畑を相手に、一生を過ごす気はないからな」
フェルが腕組みしながら答えると、彼女は少しだけ顔を強張らせ、ラスベルを見た。
「ラ、ラスベルも?」
「う、うん。ごめんね」
彼は少し困った顔をして、頭を掻きながら苦笑いした。
「そ、そうなんだ……」
何故か切ない表情を浮かべた彼女は、そのまま俯き黙ってしまう。
そして静寂が辺りを包み、何とも気まずい空気が流れ始めた。
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